官報情報検索サービスの運用の変更

自己破産や個人再生をすると、官報に掲載されることになります。


官報はネット上でも情報検索サービスが用意されており、有料ではありますがこれまでの官報に掲載された情報を調べることができました。


この官報情報検索サービスの運用が、令和7年3月15日から、大きな変更が加えられています。


裁判所公告等のうち、プライバシーに配慮が必要な記事が公開対象から除外され、検索しても表示されないように変わりました。


この変更により、誰がいつ自己破産や個人再生を行ったかという情報は表示されなくなりました。


自己破産や個人再生に関する情報は、クレジット会社などが与信審査をするには参考になる情報でした。


一方で、近年ではこの官報の情報から破産者の情報を収集して公開する「破産者マップ」などの存在もあり、プライバシー保護の観点から問題視されていました。


今回の変更は、自己破産や個人再生をした人、これからしようと考えている人にとっては好ましい変更といえます。


一方で、自己破産の申し立てをよくやっている弁護士からすると、この変更により少し困る事態も考えられます。


自己破産の申し立てをする際には、過去に自己破産や個人再生をしたことがある人は、そのときの事件番号等を申告する必要があります。


これまでは、依頼者の方が過去に破産したことがあると自己申告さえしてくれれば、弁護士の方で官報情報検索サービスを調べて事件番号等にたどり着くことができましたが、今後はそれができなくなります。


依頼者の方が当時の記録を保管してくれていればいいのですが、昔のことなのでもう保管していないという方がほとんどです。


その場合、特定不十分な状態で裁判所に提出するしかないという事態が想定され、果たして裁判所がどう対応するのか気になるところです。