続・障害年金制度改正

令和6年7月30日、厚生労働省・社会保障審議会年金部会が開催され、障害年金制度の改正についての審議がありました。議事録も公開されています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20240903.html


このブログでも以前に来年に障害年金の改正の動きがあるかもしれないとお知らせしましたが、その続報ということになります。


議事録を見る限りですと、受給資格の緩和(いわゆる「直近1年要件」)は引き続き10年間延長される方向で固まったようです。


これは障害年金の受給を目指す方にとっては有利な運用が継続されるものであり、朗報といえます。


一方、障害厚生年金の初診日要件の緩和や事後重症請求の受給権の発生時期の柔軟化、障害年金受給者が年金保険料の法定免除を選択した場合の取り扱いといったそれ以外の制度見直しについては、引き続き審議継続という扱いになるようです。


そのため、次の改正で直ちに大きな制度変革が盛り込まれる機運は下がったと見ることができます。


事実上、障害年金制度に関しては次回改正では現状維持ということになりそうです。


全般的には障害者の救済拡大の方向で議論が進んでいる印象ですが、実際に制度改正が実現するのはまだまだ時間がかかるような気がします。


法改正や制度運用の見直しは弁護士ではなく政治家や行政の仕事に属するといえますが、障害年金に携わる専門家としていい方向に進むことを願っています。