債務整理と弁護士の直接面談義務

弁護士が債務整理の案件をご依頼いただく際には、日弁連が定める「債務整理事件処理の規律を定める規程」に従って案件を処理しなければいけません。


そこで課せられている義務のひとつに、弁護士の直接面談義務というものがあります。


債務整理の案件を受任するときは、必ず弁護士が対面で依頼者とお会いして、契約内容や事件処理の流れ等を説明しないといけないというルールです。


そのため、当法人でも、ご依頼の際には必ず事務所にお越しいただき、弁護士からの説明を受けていただくことをお願いしております。


最近、このルールをめぐって、消費者金融大手4社が連名で「依頼者との直接面談や説明をしていないとみられる例が多数散見される」として、各弁護士への規程順守の徹底や違反者の処分を求める意見書が提出されたと報道されています。


確かに、当法人でも、一度別の事務所に依頼したが解約になってしまったり、契約中だが弁護士を変更したいという理由で当事務所に相談にいらっしゃるという方は少なくありませんが、その中には、前の事務所では上記の直接面談が行われていなかったというケースがちらほら見受けられます。


最近だと、前の弁護士とは依頼してから数年間一度も話したことはなく、解約の際に電話で話したのが最初で最後という方がいらっしゃいました。


その方は、前の弁護士に自己破産の手続を依頼していたのですが、その最中にお金に困って勤務先からお金を借りて給料天引きという形で返済していたところ、それが免責不許可事由に該当するので引き受けられないと言われて、契約を打ち切られてしまったとのことでした。


正直なところ、前の弁護士が直接面談を行いちゃんと注意事項を説明していればこのようなことにはならずに済んだのでないだろうか、その結果契約を打ち切ってしまうというのは無責任ではないかと思ってしまいます。


債務整理を弁護士にご依頼いただく際には、弁護士と直接しっかりお話しして、信頼できると思った弁護士にご依頼いただければと思います。