【赤青緑黄】交通事故の慰謝料の基準にもいろいろある

 

交通事故の慰謝料の計算基準には、大きく分けて①自賠責基準・②任意保険会社基準・③弁護士基準(裁判所基準)の3つの基準があります。

 

そして、ケースにもよりますが、③弁護士基準(裁判所基準)で計算した方が有利になることが少なくありません。

 

実は、この弁護士基準(裁判所基準)も統一的な基準があるわけではなく、目安となるべき基準がいくつか存在します。

 

弁護士は、ケースに応じてこのいくつかある基準を使い分けて交渉することがあります。

 

1 赤本基準

 

「財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部」が発行する「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」が提案する基準です。この本の表紙が赤なので「赤本」と呼ばれます。

 

基準が比較的明確で、東京支部が発行していますが、全国どこでもこの赤本基準を参照することが多いです。

 

2 青本基準

 

「財団法人日弁連交通事故相談センター」が発行する「損害賠償額算定基準」が提案する基準です。表紙が青なので「青本」と呼ばれます。

 

青本基準の特徴は、慰謝料の金額に幅を持たせて設定されていることです。

 

柔軟な解決に資するとも言えますが、基準としての明確性には欠くため、幅のある金額の中で高い方を取るか安い方を取るかでもめることも多いです。

 

そのため、赤本基準と比べると使われないですが、明らかに大きな事故で多大な精神的苦痛を被ったというべき案件では、この基準の上限いっぱいで請求することもあります。

 

3 緑本基準

 

大阪地裁において民事交通事故訴訟を担当している裁判官により組織された「大阪地裁民事交通訴訟研究会」が発行する「大阪地裁における交通損害賠償の算定基準」が提案する基準です。表紙が緑なので「緑本」と呼ばれます。

 

通院に対する慰謝料が赤本基準と比べると少し有利に計算されることが多いです。その代わり、入院に対する慰謝料の評価が少し控えめです。

 

大阪地裁における基準なので大阪以外の地域では基本的に通用しないです。

 

4 黄色本基準

 

「公益財団法人日弁連交通事故相談センター愛知県支部」が発行する「交通事故損害賠償額算定基準」が提案する基準です。表紙が黄色なので「黄色本」と呼ばれます。とてもマイナーです。

 

弁護士法人心は名古屋に本部がありますが、実は私はこの基準を使って交渉したことはありません。なぜなら慰謝料の計算基準が赤本基準よりも低いので・・・

 

 

ところで、弁護士法人心は、2021年5月7日付で弁護士法人心大阪法律事務所(関西本部)を新しくオープンしました。

大阪駅から徒歩5分・北新地駅から徒歩1分・東梅田駅から徒歩2分と、アクセスしやすい立地となっております。

 

弁護士法人心大阪法律事務所(関西本部)のアクセス等はこちらをご覧ください。

 

大阪の事務所がオープンしたことで、緑本基準を使う場面が増えるかもしれません。

 

少しでも交通事故の被害者の方に多くの慰謝料を受け取ってもらうよう、交渉技術を磨いていきたいと思います。